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なぜ今、ビットコインを購入する企業が現れているのか

新型コロナウイルス感染症は中国を発端に時間差で世界に拡大、経済にも大きな影響を及ぼし 2020 年 3 月には世界の株式市場が大きく反応して下落しました。

この記事を執筆している 2020 年 9 月現在、株式市場では S&P500 は 9 月初旬に史上最高値を更新していますが、実体経済に反した動きの背景には世界中の中央銀行による大規模な増刷とゼロ金利政策があります。

一方で、ゴールドやビットコインはインフレーションへのヘッジ資産としての需要が高まっています。今回はこのような動きの中で、個人投資家だけではなく企業もビットコインを購入している理由を考えてみます。

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会社が保有する資産に変化

最近ビットコイン保有を表明した企業の中に、マイクロストラテジーという会社があります。この会社は企業向けアナリティクスツールを提供する NASDAQ 上場企業です。

同社は 2020 年 8 月の決算説明会で資産の一部を、現金でなくビットコインとゴールドも織り交ぜて保有することを投資家向けに説明しました。

その背景には、金融緩和がもたらすインフレーションによる、米ドル価格の相対的下落のリスクに備える意図があります。

同社は保有する現金の半分である 2.5 億 USD をビットコインとゴールドの購入に充てています。

これまでもヘッジファンドなどで、ビットコインをはじめとした暗号資産を持つケースがありましたが、一般的な企業によるビットコイン保有の発表は注目を集める出来事でした。この発表は市場から高く評価され、決算発表後同社の株価は上昇しています。

さらに同社は 2020 年 9 月時点で、さらにビットコインの保有分量を増やす可能性も示唆しています。

また、ビットコイン購入は発表していないものの、国内企業ではソフトバンクグループも似たような考え方の戦略をとっています。同社も不確実性に備えて保有現金を増やすと説明しながら、同時にアマゾンやアップル、ネットフリックス等の大手 IT 関連株を対象に余剰資金を運用する方針を明らかにしました。

GAFA 等の流動性の高い株式は、必要となれば素早く現金に変えることができるため、これらの株を保有することは現金を保有していること大きく変わらないと説明されています。

ソフトバンクグループの場合は株式保有ではありますが、マイクロストラテジーとソフトバンクグループの両社とも、新型コロナウィルスの影響で不確実性が高まる中で流動資産を増やして備えておきたいと考えながら、保有する資産として現金以外に巨大テック企業の株式やビットコインを取り入れています。

ビットコインが 2019 年 ~ 2020 年 5 月時点において高いパフォーマンスを出しているアセットであることは以前のブログでも紹介しました。株式についてもここ数年で最もパフォーマンスの良かったアセットは GAFA をはじめとする巨大 IT 企業の株式だったことを考えると、彼らの行動は理にかなっていると考えられます。

GAFA は依然として売上・利益ともに二桁台の成長率を繰り返し、時価総額は毎年 30 ~ 40% 上昇しています。アップルは 2020 年 8 月に時価総額が 2 兆 USD になりましたが、たったの 2 年で 1 兆 USD から 2 兆 USD まで成長しています。業績も好調で、流動性が十分なアセットが他にあるかと言えばそうそうありません。

インフレーションが懸念される中で、ビットコインがそのヘッジのための資産として認識されること自体は暗号資産投資家にとってはポジティブな動きです。実際のところ、株式市場は業績と乖離した株高の中、ビットコインのファンダメンタルズが明確ではないところも今の状況では強みになっています。

しかしながら、どんな相場シナリオにもリスクは存在します。「卵は一つのカゴに盛るな」という投資格言の通り、ビットコインとゴールドを併せて保有してヘッジするなどしながら企業においても今後ビットコインを持つ選択肢をとりつつ、ウィズコロナ、アフターコロナの市場環境に備える動きがこれからも見られるかもしれません。

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