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【3 年ぶりのビットコイン 200 万円到達】今後の展望と 2017 年との違い

11 月のビットコイン相場は、130 万円台後半から安定して上昇。11 月 30 日の深夜に明確に 200 万円台に乗せてきました。11 月の月足は 130 万円後半から 200 万円まで 60 万円以上あり、2020 年で最大の陽線を記録しています。

過去にビットコインがこれほどまでの上昇となったのは、2017 年 11 月と 12 月、そして 2019 年 6 月の 3 回のみ。どちらも、その後に大きな下落を経験することになりました。

ここからのビットコインはどうなるのでしょうか?

2013 年から暗号資産の動向を追っている個人投資家の児山 将氏に、今年の相場を振り返りながら、2021 年の見通しを解説していただきました。

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2020 年相場の振り返り

今年の相場は、年初は新興国からの資金流入やビットコイン半減期への期待から大きく上昇。しかし、新型コロナウイルスに端を発する世界的株安を受けて大きく急落しました。

その後は、世界的金融緩和を受けて株高が進行。ドル安を受けてゴールドも史上最高値を更新し、デジタルゴールドとされるビットコインも連れ高となりました。5 月 12 日には 3 回目となる半減期を迎え、マイニング報酬が 6.25 BTC となりました。

その後は、しばらく軟調な展開が続いたものの、水面下では暗号資産(仮想通貨)投信を手掛けるグレイスケールへの資金流入が続いていました。
 
7 月に入り、金先物やハッシュレートが史上最高値を更新すると、ビットコインも動意。2 ヵ月ぶりに大きく動き、年初来高値を更新。8 月には 130 万円台まで上値を伸ばしました。

9 月に入ると、DeFi(分散型金融)がバブル的な盛り上がりを見せ、Sushi Swap(寿司スワップ)といったコピートークンが急騰。その後は、直ぐに暴落となりビットコインも連れ安となりました。

しかし、8 月にビットコインを大量に購入していたマイクロストラテジーが、9 月にも追加購入を行ったことが発表されると、インフレヘッジとしての注目度が高まりました。

10 月になると、ビットコインの売買アプリを提供する決済大手スクエア社がビットコインの購入を発表。次いで、全世界で 3 億人以上のユーザーを持つモバイル決済最大手のペイパルが暗号資産関連事業への参入を発表すると上昇が加速。

米国大統領選挙の最中に年初来高値を更新し、2019 年の高値である 150 万円を突破。200 万円近くまで上値を伸ばしました。

【2020 年、月別主要ニュース】

1 月
 ・ビットコインのハッシュレートが過去最高値
 ・ブラジルなどの新興国からの資金流入が加速
 ・米国、下院で「暗号資産法 2020」が提出される

2 月
 好調なナスダックがビットコインにも追い風か 115 万円まで上昇
 2 月後半は、新型コロナウイルスの本格的な蔓延で下落

3 月
 NY ダウの連日 1,000 ドルを超える暴落でビットコインも 50 万円割れへ

4 月
 世界的金融緩和と財政出動の影響で株価は反発。ビットコインは 100 万 円台を回復

5 月
 半減期直前に期待感が高まり年初来高値水準となる 112 万円を回復
 5 月 12 日(63 万ブロック)に半減期を迎える。マイニング報酬は 6.25 BTC に

6 月
 DeFi(分散型金融)ブーム、Compound の時価総額が 480 億円に。バイナンス、OKEx にも上場
 bitFlyer がイメージキャラクターに齋藤飛鳥さんを起用、テレビ CM を開始

7 月
 ビットコインのハッシュレートが過去最高値へ上昇
 金先物が史上最高値を更新、ビットコインも年初来高値を更新
 グレイスケールが保有するビットコインは 4,870 億円、39 万 BTC を保有

8 月
 アクティブアドレスが 2019 年の高値を突破
 グレイスケール、8 月 11 日から全米で CM を開始
 ビットコインが 130 万円へ上昇
 マイクロストラテジーがビットコインを購入

9 月
 分散型取引所(DEX)ユニスワップがブームに、Sushi Swap などが登場
 マイクロストラテジーがビットコインを追加購入

10 月
 スクエアが 53 億円相当のビットコインの購入を発表
 ペイパルが暗号資産関連サービスを開始
 ZOZO 前社長の前澤氏、暗号資産業界に参入へ

11 月
 米国大統領選挙
 ビットコイン 100 万円以上の滞在時間が過去最長に
 人民日報による中国での暗号資産規制報道、キャピタルフライトが加速
 150 万円を突破し、一部交換業者で 200 万円をタッチした後に急落するも再び 200 万円を回復

◆ビットコイン年間チャート

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2020 年のビットコインは、コロナショックという危機でインフレヘッジという価値に注目が集まり、企業や機関投資家からの資金流入が加速。2017 年の再来を彷彿とさせる値動きとなりました。

ビットコインはバブルなのか?

秋以降のビットコインの大幅な上昇を受け、これはバブルではないかという声も出てきています。今回の大幅な価格の上昇はバブルなのでしょうか。

バブルとは、本来の価値から大きくかけ離れて、割高である状態を指します。

では、ビットコインの本来の価値とはいくらなのでしょうか。ハッシュレートや、ビットコインのネットワークの価値から算出される理論価格は 116 万円~ 124 万円程度です。

しかし相場は、ここに将来への期待値がプラスされることになります。つまり、ビットコイン価格には秋から加速した企業と個人投資家からの新規マネーの流入が、大きくプラスされることになります。

それがどれくらいなのかを計るには、グレイスケールなどの投資信託や暗号資産交換業者への預かり資産の増加である程度判断できるでしょう。しかし、それらの発表までには 1 ヵ月以上とタイムラグがあります。

そこで、SNS やメディアによる報道、検索状況を確認してみましょう。

仮想通貨とビットコイン、リップルの 3つのキーワードがどれだけ検索されているのか、Google トレンドで調査しました。

◆Google トレンド

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すると、11 月 21 日をピークにビットコインの検索ボリュームは低下傾向にあります。

今年の傾向では、一度ピークを付けると 1ヵ月程度は下落傾向にあることから、ビットコインへの興味は目先ピークを付けた可能性があります。

テレビや新聞などのマスメディアは、11 月 18 日にビットコインの時価総額が過去最大を記録したと報道し、暗号資産に興味がなかった人々へ認知させることとなりました。同日ツイッターでも、「ビットコイン」に関する内容が 2 万件以上のツイートされ、トレンド入りを果たしました。

つまり 11 月 18 日から、価格にして 180 万円前半あたりからこれまでと異なるプレイヤーが参加するようになり、相場状況が変わってきたといえます。

こういう時に、「ビットコインが上がるからとにかく買う」という理由で購入する人の割合が増えてくるでしょう。筆者はそういった動きがバブル的な相場をつくり出すキッカケになると考えます。

事実、大きな材料もなくリップル(XRP)やネム(XEM)が唐突に上昇し始めたのは 11 月 20 日からです。18 日のテレビ報道を見て、急いで口座を開設。まだ上がりきっていない知名度のある暗号資産を買って値上がりを望むという行動が、なんとなく予想できます。

このことから、180 万円からが相場が過熱感を持ち始めたひとつの基準と考えることができます。

2017 年との違いはインフレヘッジ

改めて 2017 年と 2019 年、そして 2020 年の相場上昇の要因の違いを確認しておきましょう。

2017 年
世間一般に暗号資産の認知が広がりを見せる。ハードフォークや ICO でのトラブルを乗り越えて価格が上昇したことから、買えば利益が得られるという個人投資家による投機目的の取引が主導。

2019 年
年初から、機関投資家が暗号資産へ投資を行う流れに。3 月には国内暗号資産交換業者の登録が行われるとセンチメントが改善。4 月には、マイニングマシンの販売によるビットコインの買い需要が発生し相場が急騰。その後は、Bakkt によるビットコイン先物報道が相場を押し上げました。国際的な法整備が議論される中、G20 で暗号資産の取引に KYC が義務付けられるのではないかという思惑が高まり、キャピタルフライトによりビットコインが急騰しました。
取引の目的は、暗号資産の変革や新しいサービスの登場。相場の主役は、まだ個人投資家ですが、機関投資家が着実に増加した年でした。

2020 年
スタンリー・ドラッケンミラー氏、マイク・ノボグラッツ氏などの著名投資家がビットコインへの投資を表明。マイクロストラテジーやスクエアなどの企業も会社資産をビットコインに置き換える動きを見せました。
取引の目的は、インフレヘッジ。これまで新興国でしか注目されていなかった価値の保存に目を向けられることとなりました。相場の主役は、機関投資家へと移りつつあります。

2017 年の 200 万円との違い

200 万円が適切な価格かどうかは、過去に同じ価格であった場合と比較し判断できます。上述の通り、2017 年の上昇相場は投機的な側面が大きかったと筆者は考えています。

少し余談になりますが、2017 年 6 月に早期から暗号資産の投資を行っている人が集まり、ビットコインはどこまで上昇し、いつピークを付けるのかを話し合ったことがありました。その時の結論としては、「高値は 140 万円、ピークは 12 月 8 日の午後」となりました。

高値に関しては、大きく外れてしまいましたが、価格のピークに関しては日本円ではほぼ正確にあたりました。その理由は、「ビットコインがブームになると、ボーナスマネーが大量に流入するのではないか」と考えたからです。

では、今年はどうでしょうか。公務員の支給日は 12 月 10 日(木)となっていますので、10 日から週末にかけては念のため気にしておきたいところです。

ただし、2017 年と違い日本人の暗号資産の取引シェアが大きく減少しています。coinhills を見ると、2017 年には約 4 割でしたが、2020 年には 2 割ほどに落ち込んでいます。

また、CME での取引やグレイスケールなどのファンドを通じた売買も行われているため、実際にはもっと低いでしょう。そのため、ボーナスで相場が跳ね上がるというロジックは、今年はほとんど機能しないと考えられます。

話を元に戻しましょう。

2020 年は、インフレヘッジでビットコインが購入されています。つまり、中長期の保有が前提となり、大量売却の可能性が少なくなります。ここに、ビットコインの流通量が減少することで希少性が上昇していることが加わります。今年、グレイスケールが購入したビットコインだけで、新規流通量のおよそ 2 倍となります。また、大量に購入する企業や大口投資家が増えることで、ますます希少性は高まることとなります。

こう考えると、2017 年の時よりも状況は良いことは明らかです。2019 年に 150 万円を付けて急落した後に 140 万円台になることがありましたが、やはりその時よりも良いでしょう。

180 万円付近から、やや投機的な買いが入ってきましたが、11 月 30 日には米投資会社グッゲンハイム・パートナーズ(Guggenheim Partners)が、ビットコインへの投資の準備を始めていることが分かりました。同社の運用資産は約 30 兆 7,000 億円あり、このうちの 5,200 億円分をグレイスケールを通じてビットコインへ投資する可能性があるようです。

これを受けてか、11 月 30 日のビットコイン相場は 15 万円以上も上昇。断続的な買いが入り、調整幅はわずか 2 万円しかなく、買う必要のある大口投資家が少額ずつ買ってきたような値動きでした。

これらを鑑みると、200 万円は少し高いのではないかと考えられますが、180 万~ 190 万円は妥当な価格帯ではないかと筆者は結論付けます。

◆ビットコイン日足チャート

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期間:2019/5/23~ 2019/9/23

【サマリー】
 ・理論価格は 116 万円~ 124 万円程度
 ・180 万円から相場が過熱感を持ち始めた可能性
 ・これまでの上昇との違いは機関投資家が主導している点
 ・購入理由はインフレヘッジとしての中長期投資


ビットコインはいつ天井を付けるのか

相場の様相が変わり始めた日(11 月 18 日)と価格(180 万円前半)が分かりました。では、ビットコインはどこまで上昇し、いつピークを付けるのでしょうか。

かなり難しい問になりますが、過去の値動きを参考指標にしてみましょう。

●上ヒゲ
2019 年には 6 月 26 日に 150 万円、7 月 10 日に 143 万円の高値を付けました。いずれも、その後に 40 万円以上大きく下落しています。この高値を付けた日の終値は、高値から 10 万円ほど下落していました。つまり、大きな上ヒゲを付けたわけです。

◆ビットコイン日足チャート(2019 年)

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期間:2019/5/23~ 2019/9/23

10 月以降の上昇相場において、これほどの上ヒゲはまだ発生していませんから、これが天井のシグナルの一つと考えることができます。

●相場のペース
もうひとつは、相場の上昇ペースを理解することだと思います。

10 月前半からほぼ 1 本調子で上昇してきたビットコイン相場は、連続陰線がわずか 3 回。2 日続けて前日の安値を更新したのは、30 万円の大幅下落を演じた 11 月 26 日と 27 日の期間のみでした。

11 月 26 日でも、GTM 時間(標準時間)にすると、27 日に安値を更新していません。

◆ビットコイン日足チャート(2020年)

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期間:2020/8/13~ 202012/1

高値から 30 万円も下落したことで、安いとみた投資家が動き出したことは明確です。テクニカル的には、25 日移動平均線で支えられたため、次に割り込んだ際には頭打ちとなりそうです。

なお、12 月 1 日時点において 180 万円に位置しています。

これらをまとめると、ビットコインは 10 万円程度の上ヒゲを付け、2 日連続陰線以上となった際に、天井を付ける可能性が高いといえます。

ただし、これでは高値から 10 万円を失うことになります。
そこで、ドル安がビットコインへの投資を加速させていることに注目し、ドルインデックスを見ておきましょう。

◆ビットコインとドルインデックスの推移

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出典:TradingView

ビットコインの上昇率が高すぎて、比較チャートでは見づらくなっていますが、ドルインデックスが底打ちとなった時が、ビットコインの天井となる可能性が考えられます。


2021 年のビットコイン相場展望

最後に、現時点においての 2021 年のビットコインの相場展望を記載しておきます。

年後半に株式市場が好調であれば、大発会から最初の 1 週間は大きく崩れる傾向があります。そのため、年初の相場は弱く始まるのではないでしょうか。リブラのスタートが期待されていますが、その設計上から相場への影響はほぼないといって良いでしょう。

また、2016 年から 2020 年にかけての 1 月のビットコインの勝敗は、2 勝 3 敗 1 分となっており上昇率は 25% と、そもそも弱い傾向にあります。
ただし、2 月は過去 5 年間において勝率は 100%。1 月の下落分を吸収し、上昇に転じるのではないでしょうか。

そこからは、センチメントが改善し、機関投資家によるビットコインへの投資は引き続き加速。マイニング市況の好転期である 4 月から 6 月にかけて市場最高値である 240 万円を越えてくるのではないでしょうか。

そして、長らくビットコインにとってカンフル剤といわれてきたビットコイン ETF が承認され、誰もが簡単にビットコインへ投資を行える環境が整ってくるかと考えられます。

2021 年はより多くの人や企業が、ビットコインの「価値の保存」に目を向けることになり、それによる安定的な上昇相場を演じるのではないでしょうか。

このレポートが、皆さまの投資の参考になりますと幸いです。

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児山 将(個人投資家)
投資歴 12 年。2009 年から FX をはじめ、株式、CFD などの金融商品を取引。2015 年から仮想通貨への投資を始め、2017 年にはメディアの立ち上げも行う。2018 年以降は主にビットコインのレバレッジ取引に注力。投資判断は、投資家動向などの需給バランスとファンダメンタルズ分析を主としています。
2018 年からフリーランスとなり、午前中は株式投資。午後は FX、仮想通貨を見ながらコンテンツマーケティングを行っています。



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