Generative Artってなに?KUMALEONファウンダーToshiさんに聞きました
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このかわいいKUMALEONはGenerative Art(ジェネラティブアート)をまとっているのですが、NFTアートの世界で聞くようになったGenerative Artとはなんなのか、KUMALEONとはどんなキャラクターなのか、ファウンダーのToshiさんに聞いてみました。
Generative Artってなんですか?
bitFlyer金光(以下「bF」):Toshiさん、Generative Artってなんですか?
Toshiさん:僕は、Generative Artを簡単に人に説明するときは「プログラムが作る作品」と説明しています。
NFTプロジェクトでよく知られているPFP※のNFTも広義ではGenerative Artだと思っていますが、作品の性質が異なるので区別して理解しています。主に私が取り組んでいるのがJavaScript※などの「コードを通じて作品を描画する」ものですね。
※PFP:プロフィールピクチャー。アイコンに設定しやすいNFTアートのこと。
※JavaScript:プログラミング言語のひとつ。
bF:Generative Artとして有名なGenerativemasksとかNishikigoi NFTは読み込むたびに色が変わるのですがあれもGenerative Artの特徴ですか?
Toshiさん:OpenSeaなどの作品を表示する箇所に、Webページを表示している、というようなイメージです。Webページも読み込むたびに変わるものとかあるでしょ?技術的にはWebページを実装しているのと同じことです。
代表的なGenerative Artってどんなものがありますか?
bF:私はTosiさんがプロデュースされていた高尾さんのGenerativemasksでGenerative Artを知ったのですがグローバルで見たときのGenerative Artの代表事例ってなんですか?
Toshiさん:2020年10月にArt Blocksというプロジェクトが出ていて、これが最も知られている事例ですかね。
bF:OpenSeaのランキングで見かけるあのぐにゃぐにゃの線のやつですね!Beepleの絵がUS$69mmで売れたのが2021年3月だったのでそれより前なんですね。
Toshiさん:そう、2021年夏は「NFT Summer」と言われるくらいNFTが盛り上がったけど、そこで中心的に取引されたPFPとは全く違うものですね。
bF:なんでこういうぐにゃぐにゃの線のデジタルアートが売れるようになったのでしょう?
Toshiさん:ぐにゃぐにゃのやつはChromie Squiggleという有名な作品ですね。私も大好きです。なんで売れるのかというと、個別作品の評価は難しいのですが、NFTの登場によってGenerative Artが再評価されている流れがあると思います。今の時代はデジタルな世界があって、そこでは必ずコード、プログラムが使われている。
昔は絵画を通じて世界を表現していたけど、今の時代ではプログラムを通じて世界を表現する、というのが当たり前になってきていて、そこにNFTが登場してプログラムベースの作品があらためて評価されているのかなと感じます。
そして、Artblocks以降少しずつ事例は出ていて最近だとTezosブロックチェーン上のfxhashなどもその一つです。
「NFT」が「Generative Art」に与えた影響は?
bF:NFT前と後でGenerative Artはどう変わったのですか?
Toshiさん:そもそもGenerative ArtはARTの世界で十分に評価されていなかったのかなと思います。広くメディアアートの世界でも、それを商業的に成り立たせることは難しくて、一部のアーティストだけがやっているイメージですね。空間にバーンとプロジェクションマッピングしたり。
bF:ライゾマティクス×Perfumeとかですね!
Toshiさん:そうですね、日本だとあとはチームラボとかが有名ですよね。
bF:Perfumeとドーム公演やったり、お台場貸し切ってテーマパークやるくらいにならないと商業的に成立しないアートというのはハードル高いですね。
Toshiさん:なのでNFT以前は、Generative Artは日頃は業務でエンジニアをやっている方が趣味で作品制作をしているケースがほとんどの印象でした。専業でやっていける人はいなかった。
Generativemaskの高尾さんは大学の先生をされていて、彼が毎日コーディングで作品を作っていることは業界の皆様には知られていたと思いますが他の方がそれを評価できるタイミングがなかったように思います。
bF:それがNFTを活用することで大きく変わったんですね。
Toshiさん:NFTがあることで社会との接点が広がったという感じですね。
Generative Artを作品として誰かに届ける、というのがオンラインで完結できるようになったので、ファンの方たち側も気軽に購入する、作品に関わるということのハードルが下がったのかなと思っています。
以前はUSBにデータを入れて売るとかしかできなかったところ、作品がNFTで流通できるようになってから、専業でGenerative Artをやっている、という人もでてきました。
bF:NFTの出現によってネガティブな影響はありましたか?
Toshiさん:いわゆる「パクリ」が横行してますね。
オープンソースの世界観があってコードが誰でも見れるようになっていて、かつ商業的にも使っていいよというライセンスを付けてる人が多かったので、日常的にパクリNFTが多発する事態になっています。
bF:確かにわたしもOpenSeaの公式マークがないNFTを買うのは躊躇しちゃいます。難しい問題ですね。
KUMALEONについて教えてください
bF:今回当社のユーザーの方にプレゼントいただくKUMALEONについて教えてください。
Toshiさん:Generative Artを3DモデルのKUMALEONに描画している、というプロジェクトです。今までは2Dのキャンバスに作品を描くことが多かったですが、3Dのキャンバスに作品を描いてみようという新しい試みをしています。これも読み込むたびにGenerative Artが変わるのでKUMALEONの模様が変わります。
作品詳細は常にTwitterで発信しているのでそちらを見てもらえると嬉しいです。
bF:渋谷にKUMALEONがいる動画もTwitterで見ました!ほんとにかわいいですよね!
Toshiさん:Generative Artを知ってもらうためにKUMAがいる、地方のゆるキャラ的な、くまもんみたいなイメージです。
Generative Artを知らなくてもKUMAがかわいいから興味を持ってもらえるといいなと思ってます。
bF:アーティストのOkazzさんはNishikigoi NFTの第一弾も手掛けられていたり、活躍されていますよね。どんな方なんですか?
Toshiさん:Okazzさんは2018年頃からGenerative Artに取り組んでいた方です。エンジニアやアーティストとしてのバックグラウンドは持っていなくて、ネット上でなんとなくプログラミングを独学する中でGenerative Artを知って実装してみたものをSNSで出したらたくさんの反応をもらえた。そんな経緯で今日まで楽しんで創作を続けられていらっしゃいます。
僕がGenerative Artを知ったのもOkazzさんの作品をTwitterで見たのが最初です。Generative Artistとして国内で有名ですが、当時私は全然知りませんでした。
Okazzさんはアニメとかゲームとかからも強い影響を受けていて、作品もかわいくて広く愛されやすいのが特徴かなと思います。KUMALEONは日本のアニメ的な側面とGenerative Artが融合した作品で、Okazzさんの代表的なものです。
Okazzさんの過去の作品はOpenProcessingというサイトから見ることができるのでよかったらみてみてください。 https://openprocessing.org/user/128718?view=sketches&o=31
bF:ちなみにKUMALEONのNFTを持っているとどんないいことがありますか?
Toshiさん:KUMALEONはあくまでアート作品であるので、持つとメリットがあるといった種類のNFTではありません。なのでいわゆる「ユーティリティ」はないです。ただ、KUMALEONからGenerative Artを脱皮させることができるので、好きなGenerative Artへの着せ替えを楽しむことができたりします。仕組みとして新しいものにチャレンジしているのでその部分も見て頂けると嬉しいですね。また、継続的に別のパターンのキャラクターなどを出していく予定なので楽しみにしていてください。
わたしたちもGenerative Artを作れますか?
bF:高尾さんもOkazzさんももともとエンジニアじゃなかった、ということはわたしたちもGenerative Artが作れますか?
Toshiさん:作れると思います。Generative Artでよく使われているp5.jsというライブラリがあるのですが、これはアーティストが表現をするために開発されたライブラリなんです。
文系の学校でも教えているところもあって、Youtubeとかでもチュートリアルがあります。
難しいなとか思わずに、これを書いたら線が出る、四角になるなどを試していただければ。理系の人じゃなくても大丈夫です。
Toshiさんが考えるNFTの未来
bF:では最後に、Toshiさんが考えるNFTの未来を教えてください。最近NFTの可能性を過大に言われてたり、逆にこれは過小評価だなーと思うものも目にするのですが。
Toshiさん:自分はWeb3みたいな議論だったり、様々なブロックチェーンが作る世界みたいなことについては語れることはそんなにないんですよね。
そして、NFTの中でもいわゆるユーティリティトークンについてはあまり語れることは持っていません。
ただ、アーティストやクリエイターが表現する場としてのNFTはトレンドに関係なく成長していくと思っています。
ファインアートを作っている人にとってはNFTによってとれる選択肢が増えたし、NFTという場でどんな表現ができるかという新しい挑戦でもあります。
ファインアートにおけるNFTの活用はぶれる感じはしないですね。ここはシンプルに実践を通じて示していきたいなと思っています。
bF:ブロックチェーンは結局投機にしか使われない、と言われ続けてきたので、クリエイターの方の表現の場として使われているというのは事業者としても嬉しいです。
Toshiさん:もちろんアーティストの方も高く作品を売りたいということはあるわけで、これは投機的な面も非投機的な面もあってグラデーションになっています。ここのよい塩梅を作れるのもNFTの特徴です。
bF:今後もどんなデジタルアートが出てくるのか楽しみです。今日はありがとうございました!
Toshi:株式会社TART代表取締役。2016年ごろからブロックチェーンに興味を持つ。2018年にはブロックチェーンにメッセージを書き込み、その証を指輪に刻印するISSHOを手掛け、2019年株式会社TART設立。株式会社TARTではOkazz Generative Art NFT、Generativemasks、Sushipico、Metaani×日本財団、山古志/Nishikigoi NFTなど話題のNFTを多く手掛けている。