ヨーロピアンさんに聞く! 仮想通貨(暗号資産)トレードテクニックと今後のビットコインの展望
仮想通貨(暗号資産)トレードの世界には、積極的に情報発信をしている著名なトレーダーが数多くいます。
その中でも有名なのが、ヨーロピアンさん。これまでの実績、トレードのテクニック、重要視している指標、今後の展望などをヨーロピアンさんに伺いました。
――ヨーロピアンさんが投資を始めたのはいつごろですか。
大学生だった 2011 年ごろです。日本株と FX に、バイト代を投資していました。
当時は東日本大震災の後で、日経平均はかなり低く、1 ドル 80 円前後。当時の僕はもちろん初心者で、今考えればかなり適当に買いを入れていましたが、それでもほぼ儲かりました。相場に助けられて、運の良いスタートを切れましたね。
その後、社会人になって資金力が増えたので、やりたかった投資にどんどん挑戦するようになりました。
――ヨーロピアンさんの仮想通貨(暗号資産)トレードのこれまでを教えていただけますか。
ビットコインに出会ったのは、2014 年の夏ごろです。bitFlyer 以外の取引所でビットコインを買いました。1 BTCが 2 万 8000 円とか、そのくらいの金額でした。
bitFlyer を初めて利用したのは 2015 年の秋ごろですね。それなりの量のビットコインを買ったのはこのときが初めてです。投資資金の全額にあたる約 530 万円をビットコインにつぎ込みました。
2016 年には 1 BTC あたり 10 万円近くまで上がり、翌 2017 年の 9 月ごろには資産が 1 億円を突破しました。毎度日本円換算しないので、最大資産額は実は把握していないのですが、2017 年末のバブルの際に売却して、5 億円くらい税金を払ってキャッシュで 6 億円ほど残ったので、最低でも 12 億円くらいは利益を確定したことになります。
――すごいですね!そんなヨーロピアンさんが今でも bitFlyer を使っている理由は何でしょうか。
bitFlyer は、ビットコイン現物の流動性が国内では圧倒的だからです。それと、流出事件を起こしていないので、セキュリティーも大丈夫だろうと思っています。
流動性と安心感ですね。2015 年から使っているので、愛着もあります。
――仮想通貨(暗号資産)トレードのテクニックについて伺いたいと思います。相場を見るときに参考にしている指標は何ですか。
色々ありますが、今は主に次の 3 つを見ています。
・GBTC チャート
・200 日移動平均線
・ハッシュレート
GBTC は、グレースケールという海外のビットコインの投資信託で、ここの売買高動向は注視しています。
GBTC にはプレミアム(乖離率)というものがあって、ビットコイン現物よりも GBTC で買う方が高くなります。
規制によってビットコインの現物は買えないけど、 GBTC は買えるという機関投資家などの買いが増えると、強いトレンドが出ます。一方で、あまりにプレミアムが乗りすぎているときはポジションを考えなければならない。そういうところで GBTC はよく見ていますね。
200 日移動平均線を見ている理由は、意識している人が多いからです。 200 日移動平均線は株の概念で、なぜ 200 日かというと、取引できるのが年間 200 日程度だからなんです。
仮想通貨(暗号資産)は 365 日動くので、365 日移動線じゃないかとなるかもしれませんが、多くの人が 200 日移動平均線を見ているので、僕も参考にしています。
ハッシュレートは、マイニングの収益分岐点を考えると、今のハッシュレートだと利益はほとんど出せないだろうとか、収益分岐点がどのくらい上がっているのかというのがわかるので、追うようにしています。
――初心者の方が真似しやすいテクニックはありますか。
誰でも実践できて成績を出しやすいのは、海外のファンディングレートを利用する手法ですかね。これはまだ簡単な部類だと思います。
海外のデリバティブ取引所のファンディングレートを見て、過熱感を測る、というものです。買われすぎ、売られすぎのときは、その逆を行く。これだけなので、真似しやすいのではないでしょうか。
――直近のビットコインの値動きで気になることはありますか。
値動きがなさすぎることが気になります。
それと、最近はダウなど株価指数との連動が激しいのも気になるところです。過去はあまりなかった傾向ですね。
ビットコインと、株など他の資産でポートフォリオを組んでいるファンドが多く入ってきたのかもしれません。株が売られるとポートフォリオの中で株の価値が下がり、相対的にビットコインの価値が上がる、その逆もしかりです。こういったリバランスをしているファンドが多ければ、株が下がれば後追いでビットコインが下がるのもうなずける話です。
あくまでも勝手な想像にすぎませんが、ビットコインの価格が株価指数と非常に相関性が強くなっているのは、間違いありません。気になりますね。
――新型コロナウイルスの影響はどのように見られていますか。
仮想通貨(暗号資産)だけでなく、株などすべてにおいてですが、懐を痛めた人が多かったのではないでしょうか。わたしも含めてです。
一部の業種を除き、外食産業や観光業など多くの業界で利益が減り、今後もしばらくは回復しないので、社会の重要な産業で稼げるお金が減っているということは、他の産業に流れるお金も減ると考えられます。それを踏まえるとみんな少しずつ、いまの株価だと少し実態よりも高いと考える人がいるかもしれません。
ビットコインがなにか特別にパンデミックと相性がいいというわけではありませんが、他の金融資産の価値が下がることにより、相対的に投資先として選ばれることがあるかもしれません。
――ヨーロピアンさんが考える、ビットコインの可能性って何でしょうか。
ビットコインの大きな特徴は、特定の国家に依存していないことです。
そして金(ゴールド)と比較し、ビットコインには可搬性があることです。現状ビットコインは、出国税*の対象ではなく政府から比較的自由な資産であるといえます。
日本人だとあまり考えたことがないかもしれませんが、その国の通貨に不安がある国に住む人にとっては、資産の置き場のひとつとして保険をかけるという目的で購入されていることもあるでしょう。
またビットコインを見る社会の目にも、変化が起こってきているのではないでしょうか。
新型コロナウイルスの渦中に、アメリカのベビーブーマー世代(1946 ~ 1964 年生まれ)の間で仮想通貨(暗号資産)投資を始める人が増えているなどのニュースがありました。これまで仮想通貨(暗号資産)に関心を示さなかった人たちにも、意識改革が始まっているようです。
他には、国家がデジタル通貨を発行するというニュースもありました。例えば米ドルなら「デジタル USD」というように仮想通貨(暗号資産)ではないけれど、人々がデジタル通貨を持つことに不安や抵抗がなくなれば、それはビットコインにとって追い風になると思います。
このデジタル化の流れが逆転、つまりアナログ回帰することはないと思っています。
――最後に、ビットコインの今後の展望を教えてください。
短期的にはしばらくは横ばい、あるいは弱くなる可能性もあるかな、と個人的には思っています。
真夏の円高の時期は 100 万円ちょっとの横ばいか、あるいはもう少し弱くなるか。
晩秋の円安から年末にかけてコロナ禍が落ち着き、世界経済が回復していく前提とすれば、少し強くなると予想します。ぼちぼち 120 万円、かなり行くシナリオで 130 万円くらいのイメージですね。
5 年後の 2025 年には 600 万円、10 年後の 2030 年には 1500 万円と予想します。大胆予想です!
ヨーロピアンさんのインタビュー、いかがだったでしょうか。
長年ビットコインを見ているトレーダーの視点やテクニックをぜひ参考にしてみてください。
*国外転出時課税制度…日本国外に転出(海外移住)する日本国居住者が、特定の要件を満たす場合に国外転出時課税(出国税)の適用対象となる。
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