IEO(Initial Exchange Offering)とは
IEO(Initial Exchange Offering)とは
本日8月23日、bitFlyerより当社初となるIEO案件に向けた基本契約締結合意のプレスリリースを発表いたしました!
IEOとはInitial Exchange Offering(イニシャル・エクスチェンジ・オファリング)のことで、
企業やプロジェクト等が新規暗号資産を発行することで資金調達を実施する仕組みであり、暗号資産取引所が発行体の事業性や新規暗号資産の審査を行い、新規暗号資産の販売及び取扱いを行うことを指します。
企業やプロジェクト等が新規暗号資産を発行することで資金調達を行う、というのは海外中心に特に2017年ごろによく見られた「ICO(Initial Coin Offering)」と同じでは・・・?と思われるかもしれませんが、IEOにおいては登録暗号資産取引所が発行体の事業や発行する新規暗号資産について審査を行う点が異なります。さらに暗号資産取引所は行った審査の内容をJVCEA(一般社団法人日本暗号資産取引業協会)に報告し、JVCEAがこれを審査します。
日本におけるIEOの制度
IEOについて、暗号資産取引所と資金調達を行う事業者に課せられるルールについてはJVCEAの自主規制規則のうちのひとつ「新規暗号資産の販売に関する規則」に定めがあります。
すごくざっくり、主に以下の項目が定められています。
暗号資産取引所側の審査体制
暗号資産取引所側が審査する内容
暗号資産取引所が審査した内容をJVCEA、金融庁に報告すること
新規暗号資産を発行した企業またはプロジェクトが開示する内容
発行時開示
発行後の継続開示
新規暗号資産を発行した企業が調達した資金を管理する方法
暗号資産交換業者、いわゆるVASP(Virtual Asset Service Provider)に対してルール、規制を定めている国家はいまや複数ありますが、日本の自主規制機関はいち早くIEOに関する規制を導入しており、会員VASPはIEO取り扱い開始に際してJVCEA規則に基づいた審査を経て利用者保護にも十分留意できる環境となっています。(当社調べでは、たとえばアメリカでは2020年1月にSECからIEOに対するInvestor Alertが出されていますが、その後法制化はされていないように見えます)
日本ではこれまで2件のIEOが実施され(2021年に日本初の案件が実施されました)、実施されてはいないものの暗号資産取引所と発行体の基本合意締結が発表されているのが本日当社が発表した案件含め7件あります。
IEOを通じて実現する世界
足許、ブロックチェーン上のトークンを使ってコミュニティや経済圏をつくる試みが多く見られています。これは日本だけではなく世界的なトレンドになっています。
特定のNFTを持っている人たちで地域創生に取り組むプロジェクトがあったり、トークンを使ったコミュニティ×ゲームの取り組みも多く生まれてきています。
トークンでつながったコミュニティにおいてどのような経済圏をデザインするか、というのは「Token」+「Economics」で「Tokenomics」(トークノミクスとかトケノミクスと発音されてます)と呼ばれており、これはa16zが「web3」と呼ぶ概念※の大事な一部なのだと個人的には思っています。
a16zが提唱する「web3」はブロックチェーン上のトークンを使ってサービスの所有権をユーザーとビルダーが共有する、という考え方です。
※a16zはアンドリーセンホロウィッツ、米国のベンチャーキャピタル。
a16zのChris Dixonが2021年10月に書いた「Why Web3 Matters」というブログ記事が今世の中で「web3」と呼ばれている概念の発祥だと考えられています。
bitFlyerとしては、Tokenomicsに欠かせないトークンを発行できるIEOプラットフォームをつくり、日本から世界を目指す企業やプロジェクトがこのプラットフォームを活用していただくことで新しい経済がどんどん発展していくのを後押ししていきたいと考えています。
本日発表したプレスリリースで、IEO事業の担当者である新規事業開発部副部長の大和が
「Web3時代における自立分散的に拡大するネットワークの構築にはトークンの存在が必要不可欠であると考えています。そのネットワークの成長とトークンの価値向上という共通の目標に向け、様々なステークホルダーが協調し合うことでトークンが生み出す独自の分散型経済圏が発展すると考えています。」
と言っている通り、トークンを使った経済圏の成長とともにトークンの価値も自然と上がっていくような世界が実現していくことを事業者、プロジェクトにみなさまには目指してほしいです。bitFlyerのお客様にこういった世界に接する機会を提供できるよう当社としても引き続きがんばっていきます。
最後に
bitFlyerでは一緒に働く仲間を募集しています。IEOについてもIEOを行いたい企業、プロジェクトの方々と話していただく事業開発メンバー、審査を行うメンバー、プラットフォームを作るシステム開発メンバーなどを募集中!
興味を持っていただいた方はぜひこちらのサイトをご覧ください。
なお、bitFlyer Blogにおいては、今後、当社において手掛けるプロジェクト等について新規事業開発部部長の金光より発信していく予定です。よろしくお願いいたします✨